サクセスストーリー SafeBoot
サクセスストーリー SafeBoot

その製品をわずか3年で20倍のビジネスにした人たちがいます。

SafeBoot

その製品との出会いは、2001年7月。政府系組織が主催する、ある展示会でのことでした。製品の名は、「SafeBoot」。パソコンのハードディスク全体を暗号化し、盗難・紛失時の情報漏洩を防止するセキュリティ・ソフトウェアです。「これはいける」。即座にそう直感した私たちは、直ちに調査を行い、オランダへ飛び、独占契約を結びました。それは、日本で個人情報保護法が施行される、3年も前のことでした

時代は、その製品を求めていました。2004年の後半から売上は急拡大。立ち上げ時代の展示会では、わずか一コマだったブースが、2005年には単独ブースで出展するまでになりました。契約締結から2年半で100社・3万ライセンスだったビジネスは、その後の3年で、一気に20倍の60万ライセンスへと成長を遂げたのです。このプロジェクトが、なぜここまで大成功を納めることができたのか。
その秘密が、マクニカの強さの秘密でもあります。

即断即決。ビジネスはスピードだ。

SafeBoot

2001年7月初旬、ある展示会の会場。そこで、ソリューション営業統轄部の盛田(31才)は、一人の外国人スタッフに声をかけられる。それが、「SafeBoot」社との出会いだった。SafeBoot社は、オランダにある社員20名程度のベンチャー企業。聞けば、日本の展示会には初出展で、初めて声をかけたのが盛田だったという。

新しい技術、日本で売れる製品を発掘するために、アンテナを張り続けていた盛田は、暗号化ソフトウェア「SafeBoot」の説明を聞くうち、「これだ!」という直感を得る。翌日、再び会場を訪れた盛田は、スタッフをカフェに連れ出した。そうすれば、彼らのブースは無人になる。より具体的な話を聞くのが目的だったが、他社の接触を防ごうという目論みもあった。

製品を持ち帰り、すぐに社内で技術検証を行った。それが、どういう技術なのか、本当に日本で売れそうなのかを見極めるためだ。「ユニークな技術だし、市場性もある。これはいけそうだと判断しました」と、技術担当の塚本は振り返る。しかし、その後、ここまでの大ヒット商品に大化けするという確信があったわけではない。「いけそうなら、すぐに行動する。駄目だったら、次を目指せばいい。マクニカには、そういう気風があるんです」。

確かに、即断即決はマクニカのビジネス・モットーである。盛田が上司に「この製品を扱いたい」と報告した時も、答えは「そうか、やってみろ」のひと言だった。一般の企業なら、何度も会議が繰り返されるところだが、そんな暇があったら、次の手を打つのがマクニカだ。事実、7月20日には、SafeBoot社に契約プランを提示し、その1ヶ月後にはオランダに飛び、独占契約を結ぶべく商談をスタートさせている。しかし、契約はスムーズには進まなかった。目の前には、いくつもの課題が山積していたのだ。

文化の違いを乗り越えて。

SafeBoot

契約のためオランダに飛んだ盛田には、入社してから身に付けた一つのスキルがあった。それは「その場で考え、その場で行動を起こす」ということ。滞在最終日になっても契約条件が折り合わず、決裂寸前になっても、彼はその場で日本からデータを取り寄せ、資料を作り直して交渉を続けた。

折れたのは、SafeBoot社側だった。「マクニカの動きは、明らかに日本の他の代理店とは違う。今ここで、この代理店を手放すことは、契約条件を譲歩することよりリスクが大きい」。彼らは、そう判断したのだという。

しかし、その次に待っていたのは、製品の日本語化の問題である。マクニカの技術スタッフとSafeBoot社の開発者との間で、何度もやり取りが繰り返された。さらに、商習慣の違いも大きかった。10月、2度目に来日したSafeBoot社の社員に対し、日本での売り方を、何度説明しても理解してもらえない。交渉はついに決裂し、先の見えないまま彼らは予定していた箱根旅行に向かう。

旅先のロープウェイの中で、SafeBoot社の社員が突然、「昨日の話をもう一度説明してくれ」と言いだした。あわてた盛田は、その場でノートを開き、不審がる観光客を横目に必死で説明をした。すべてを聞き終えた彼は、「この決定は私の裁量を超えている。オランダに帰ったら、必ず上を説得する」と約束してくれた。聞けば、「旅を通して、日本とオランダはあまりにも違うということに気づいた。自分には到底わからない、ということがわかった。だから君達に任せるのが一番だと思う。」とこたえてくれた。

11月、ようやくマクニカとSafeBoot社の間で、日本における独占代理店の本契約が締結された。

こんなに面白い仕事はない!

SafeBoot

発売から約1ヶ月後、SafeBootの初受注の際、盛田は客先で思わず涙を流したという。「その企業には1週間に10回は通っていました。目の前でハンコを捺してもらい、『もう泣きそうですよ』と言った瞬間、泣いていました」。製品を発掘し、契約交渉を重ね、ゼロから始めたビジネスが、ようやく実を結んだ瞬間である。

SafeBootの売上に火がついたのは、個人情報保護法が施行される前年、2004年の後半からである。以来、SafeBootは、100万ライセンスを誇る大ヒット商品へと急成長することになる。

「SafeBootは、暗号化ソフトウェアのブランドに成長してくれました。しかし、今でもさまざまな挑戦を続けることで製品は進化し続けています。昔はチャレンジャー。今はチャレンジを受ける立場にありながら、なおチャレンジャーでもあり続ける。そこに面白みを感じています」と盛田は言う。

まだマーケットに認知されていない技術を見つけだし、それを製品化し、世に送り出す。それが大ヒットして、ビッグビジネスになる。確かに、こんなに面白い仕事はないだろう。「だからこそ、この面白さを、若い人たちにもどんどん経験してもらいたいんです。やりたい仕事があったら、自分から手をあげる。それが、マクニカでの仕事のやり方です。若手でも仕事は任せてもらえるし、たとえ失敗したとしても、失敗自体を責められることはありません。重要なのは、チャレンジする意欲。そのためのサポートは、私たちがしっかりやります」

もしかしたら、次のヒット商品を見つけだすのは、今これを読んでいるあなたかもしれない。

※現在、SafeBoot(旧製品名)は、2007年11月に開発元であるSafeBoot B.V.がMcAfee, Inc.に買収されたことにより、製品名が「McAfee Endpoint Encryption」に変更となっています。