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オリンパス株式会社様

オリンパス株式会社
 
医療機器を安定供給するためのBCP対策に一役
LPWAによる接触履歴の客観的な把握によって初動対応の迅速化を実現

背 景商品登録業務の迅速化やカテゴリ付与業務の属人化が課題に

1919年に顕微鏡事業で創業、医療をコア事業に医療分野やライフサイエンス分野、産業分野においてさまざまなソリューションを提供しているオリンパス株式会社。2019年には今後も成長が期待される内視鏡事業および治療機器事業を中心とした医療分野に経営資源を投入するべく新経営戦略を策定しており、医療を中心とした事業ポートフォリオへの集中と内視鏡事業における圧倒的ポジションの強化、治療機器事業への注力と拡大、そして次世代の低侵襲手術をけん引する製品・手技開発という4つの施策を推進。企業の持続可能性を高めながら、医療機器業界におけるグローバルリーダーとしての位置づけ強化を目指している。

画像提供:オリンパス株式会社
(画像提供:オリンパス株式会社)

そんな同社が手掛けるプロダクトのなかで、グローバルで70%を超える高いシェアを誇っているのが、食道や胃、腸といった消化管の可視化や診断、治療に用いられる消化器内視鏡だ。内視鏡を含めた医療機器は、定期健康診断や手術の際に利用されるなどヘルスケアに直結したものであり、高い品質と厳格な管理が求められます。 中でも直接体内に入れて検査・治療を行う内視鏡は、太さ10㎜程度の管の中に、LEDライトや撮像素子、処置具を通すチャネルなどが組み込まれている超精密機器だ。「特に検査のためだけでなく、直接治療を行う治療器としての宿命も背負っているのが今の内視鏡です。だからこそ、安定した修理体制を整備することで機器の安定供給を行っていくのは社会的にも非常に重要なのです」と説明するのは医療修理部門のBCP推進担当 細谷 勉氏だ。だからこそ、医療機関から預かった修理品はできるだけ迅速かつ的確な品質で修理して返却することが求められてくるという。

課 題接触履歴の客観的な把握が可能な仕組みの整備が急務に

日本では年間約1000万症例以上の内視鏡検査が実施されている。医療現場に内視鏡を提供し続けるために、同社では世界中で高品質の修理・メンテナンスが可能な体制を整えており、現在は150を超える修理センターをグローバルに展開。その品質をグローバルで高めていくために、全世界共通の修理サービスの指針としてオリンパスグループ共通の「テクニカルサービスグローバルガイドライン」を制定するなど、「品質診断(Quality Review)」の取り組みがグローバルで進められ、海外関係会社にも日本の高度なクオリティを維持できる強固な枠組みが構築されている。

画像提供:オリンパス株式会社
(画像提供:オリンパス株式会社)

なかでも日本国内では、修理拠点となる医療サービスオペレーションセンター(SORC)を2カ所に設置しており、高い修理品質を落とさないような環境づくりが以前から行われてきたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で蔓延するなか、万一感染者や接触者が修理部門のメンバーに発生した時に備えた対策も急ピッチで進められてきた。「感染者や接触者の存在が現場で明らかになれば、当然自宅待機なども含めた対応が必要です。そのルールづくりはグローバルで行われていましたが、できる限りこのSORCの高い修理品質を落とさないような環境整備が急務でした」と細谷氏。

その1つが、保健所からの連絡などで修理部門のメンバーに感染者の接触者が発生した際、対象者と職場周囲のメンバーの接触履歴を迅速かつ客観的に把握する仕組みづくりだった。「従来であれば、疑いのあるメンバーに聞き取りを行い、どのエリアでどの程度の時間作業したのかを確認しなければなりません。その場合、人の記憶に依存する部分が多く、時間がかかるし情報があいまいになってしまう。だからこそ、客観的に素早く判断できる仕組みが必要だったのです」と細谷氏は説明する。

選 定接触履歴の客観的な把握が可能な仕組みの整備が急務に

無線通信可能なデバイスを修理担当者が身につけることで接触履歴を記録する取り組みを海外で導入した実績より日本でも同様の仕組みを模索することにした。ただし、海外で展開している機器では、電波法の関係で日本では利用できないものも少なくなかったという。「国内で紹介されたソリューションでも、オーバースペックで高精度なものは、結果的に高額にならざるを得ません。しかも開発段階のレベルだったことで、いち早く展開したい我々にとって最適なものではなかったのです」と細谷氏。できる限りシステムもロジックもシンプルなソリューションを希望したという。

そこで注目したのが、マクニカネットワークスが提供するLoRaWAN を用いたLPWAソリューションだった。特にクラウド上のサーバーで管理できるシンプルさはもちろん、予算的にも同社の要件に合致したという。ただし、当初からシステム的な懸念点もあったと医療修理部門のシステム担当 池内 敦紀氏は当時を振り返る。「電波を利用する通信機器のため、社内の設備に対する影響がないか、逆に導入済みの設備からの電波障害などは発生しないかといったことが懸念されました。実際に調べてみると、LoRaWANは長距離通信が可能ながら省電力で、ノイズにも強いというのが分かったのです。その意味では、既設の環境への影響も少ないのではないかと考えました」と説明する。

接触履歴の客観的な把握が可能な仕組みの整備が急務に

ただし、修理作業者がデバイスを身につけるために、1つの中継器に対して多くのデバイスが通信を行うため、中継器の数が膨大になるのではという新たな懸念点も生まれたという。「工場内に展開している無線LAN環境ではアクセスポイントがそれなりの数が導入されています。LoRaWANの中継器が数多く必要な場合、メンテナンスや障害発生時の対応など運用面で負担が大きくなります。しかし、実際にはワンフロアでも2台ほどで済むことが分かり、改めてすごい技術だなと感心したのです」と池内氏。

画像提供:オリンパス株式会社
(画像提供:オリンパス株式会社)

一方、デバイスを身につける現場では、運用面や行動監視に対する懸念点が具体的に挙がっていた。「全社員が必ずデバイスを装着していないと接触履歴が取得できないため、負担にならない装着方法や日々の充電方法など運用面を考慮する必要がありました」とSORC管理・導入の田崎 勉氏は説明する。一方の拠点のSORC管理の高見澤 篤氏は「修理作業に邪魔にならないかといった日々の運用はもちろんですが、一番気になっていたのは行動監視につながってしまうのではという懸念です」と語る。
そこで運用面に関しては、デバイスの装着方法をSORC同士で相談しながら、検知感度を下げることなく、周囲からも誤った使い方かどうか判断しやすいようクリアケースにデバイスを入れて運用することに。行動監視への懸念については、GPS機能をオフにしたうえで、万一の事態の際だけしか接触履歴を使わないということを現場に伝え、その意義を啓蒙していくことで解消することができたという。

システムおよび現場運用での懸念点が払しょくできた結果、修理部門における接触履歴管理の仕組みとしてマクニカネットワークスのLPWAソリューションが導入されることになった。

取り組み調査時間の大幅短縮で初動対応の迅速化とリスク回避に大きく貢献

現在はSORC(2カ所)に所属する数百名全員がデバイスを装着しており、フロアに2台ほどの中継器を設置し、既存のネットワークに影響を与えないようLTEを経由してクラウド上の管理サーバーに接触履歴が記録される形となっている。出社した段階で作業着に取り付けられたクリアケースにデバイスを入れ、帰宅の際には充電することで日々の運用が行われており、修理作業に負担のないような運用が行われている。発注から稼働まではわずか2か月あまりと短期間での導入に成功しており、シンプルな仕組みだからこそ迅速な導入が可能になっている。

調査時間の大幅短縮で初動対応の迅速化とリスク回避に大きく貢献

今回LPWAソリューションを導入したことで、万一の際にも迅速な接触履歴の調査が可能になり、事業継続の観点からビジネスリスクを最小限に軽減する環境を整備することに成功している。修理を依頼する医療機関に対しても安定したプロセスが整備でき、信頼感醸成にも一役買っている状況だ。「週次で各SORCと状況共有ミーティングを開催していますが、接触履歴が安定して収集できているなど問題なく運用できていると報告を受けています」と細谷氏は説明する。現場においても「導入当初は全てのデバイスを充電して修理担当者に配布する際に苦労しましたが、導入後は現場からのクレームもなく、履歴もしっかり取得できています」とSORC管理担当の濱島 雅典氏は語る。システム面でも現場では大きなトラブルは発生しておらず、管理面でも負担なく運用できていると池内氏は評価する。

実際に濃厚接触者の定義には含まれないものの、リスク回避の目的から修理担当者への調査を実施したこともあったが、当初見込んでいた迅速な調査が可能だったと細谷氏は評価する。「おそらく聞き取り調査を多くのメンバーにした場合は、数時間程度はかかるはずですが、実際には10分程度で接触履歴が抽出でき、きちんと数字に基づいて判断することができました。対象者と接触履歴があれば、みなし接触として在宅勤務にすぐ切り替えることも可能です。初動対応が迅速に実施できるようになったことは大きなメリット」と関係者間にて高く評価されている。

今回のソリューションを導入したことで、取得したデータを活用して、そもそも濃厚接触にならない動線設計や働き方などの取り組みを始めている現場も出てきているという。「履歴を見ることで濃厚接触になりそうな工程が把握でき、業務改善のなかでうまく回避できるような運用を検討しているところも出てきています」とSORC管理・導入担当の大木 英樹氏は新たな動きについて説明する。

マクニカネットワークスについては、現場で開催された使用説明会や電波環境の調査などで各SORCに足を運ぶなど、現場展開に向けての手厚いサポートに満足しているという。「社内のクラウド利用申請の際には、いろいろ確認することが多く、その都度レスポンスよく対応いただけたことで短時間のうちに申請を行うことができました。全社のIT部門に対しての説明化の場面でも技術的なフォローをしていただき、周波数や出力などIT部門が懸念することにもきちんと回答いただけたことで、短期間に導入までこぎつけることができました」と池内氏は評価する。

今 後LPWA導入と更なるソリューション検討の可能性

現在、COVID-19がきっかけで医療機器の修理センターであるSORC(2カ所)にLPWAソリューションが導入されている。今後はこのLPWAソリューションを利用して、危険エリアでの立ち入り履歴を把握したり、天災などが発生した際に工場内に取り残された人がいないかどうかを把握したりといった、新たな用途への展開も期待できるところだ。「例えばカメラなどが導入できないエリアへの人の立入りの履歴を把握するといった活用も今後は職場での理解を得ながら検討していくことも考えられます。COVID-19終息後にこの仕組みをどう使うのかについては、ぜひマクニカネットワークスからの提案に期待したい」と池内氏。また、工場のDX化に向けたIoT活用などの場面でも、今回敷設したLPWAソリューションの基盤が活用できる可能性も十分にあると最後に語っていただいた。

細谷 勉氏

オリンパス株式会社
医療修理部門BCP推進担当
細谷 勉氏

コロナウイルス感染症対策LPWAソリューション(接触アラート・接触履歴)」
の詳細は以下リンクをご覧ください。