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実環境に近い試験環境で、ネットワーク機器のパフォーマンス検証ができる技術検証センター設立。

最新鋭の測定装置で、高負荷状態でのパフォーマンス実測値や限界性能を調査。高い検証ノウハウと製品知識を生かして、より効率的な運用を支援。

実環境に近い試験環境で、ネットワーク機器のパフォーマンス検証ができる技術検証センター設立。最新鋭の測定装置で、高負荷状態でのパフォーマンス実測値や限界性能を調査。高い検証ノウハウと製品知識を生かして、より効率的な運用を支援。

マクニカネットワークスは、2011年7月に「マクニカネットワークス技術検証センター」を設立した。同センターは、マクニカネットワークス、およびマクニカソリューションズで取り扱っているネットワーク、セキュリティ、ストレージ製品のパフォーマンスを実際の使用環境に合わせて検証するための施設である。同センターのコンセプト、設立の背景、強みである技術ノウハウの高さについて、取締役技術統括部長 鈴木秀一が語った。

カタログスペックは参考値。実際の環境でのパフォーマンスを把握するために

マクニカネットワークス、マクニカソリューションズでは、サービスプロバイダ、エンタープライズユーザ向けのさまざまなネットワーク、セキュリティ、ストレージ製品を扱っている。それらの製品を導入するには、事前に「実際の環境でどれだけのパフォーマンスを発揮できるか」を把握しておくことが重要である。そのために同社では、これまでパフォーマンスの検証に注力してきた。

その理由を鈴木は次のように語った。
「カタログに掲載されているパフォーマンスは、あくまでも参考値に過ぎません。セキュリティ設定や、組み合わせて稼働させる機器やアプリケーションなどの条件によって、実際のパフォーマンスは変わってきます。例えばセキュリティ設定のON/OFFを切り替えたり、流すデータのファイルサイズを変更することによって、測定されるパフォーマンス値はまったく違うものになったりします。ところが、お客様の利用される環境は、ひとつとして同じものはありません。そして参考値と実際のパフォーマンスが乖離していたときの影響は、大規模ネットワークになるほど大きくなります。つまり、製品を導入する前には、お客様と同じ環境を再現してパフォーマンスを検証しておく必要があるのです。私たちは、製品を販売するディストリビュータの責任として、これまで積極的にパフォーマンス検証のための投資

社内で構築してきた検証環境と蓄積したノウハウを公開した技術検証センター

2002年にパフォーマンス検証のための専用装置を導入したことから、本格的なパフォーマンス検証は始まった。
それ以前は、担当するエンジニアが自作スクリプトやフリーツールなどを用いてパフォーマンスを検証していた。しかし2000年頃には、その方法ではいずれ限界が来ることが見えてきた。「今後ネットワークはより広帯域になり、システムやアプリケーションはさらに複雑になる。大規模ネットワーク向けのセキュリティ製品やロードバランサー等のL4-L7ネットワーク制御機器を扱う以上、より本格的な装置を使った検証が必要になる」と考え、2002年にcaw networks(現Spirent Communications)のWebAvalanche、WebReflectorなど、より実環境に近い、高負荷をかけることができるパフォーマンス測定装置を導入したのである。
その後も、ネットワークやセキュリティの動向の変化、アプリケーションの多様化に対応するため、BreakingPoint SystemsのFireStorm CTMといった最新鋭のパフォーマンス装置を導入するなど、設備の充実を図ってきた。こうして大規模ネットワークにおけるアプリケーションレベルのパフォーマンス検証にも耐えうる検証環境を整えていった。

ただし、これらの設備は長い間、自社で扱う製品を検証するため、あるいは障害が起こったときの再現検証を目的に使用されており、外部に対して積極的に公開していたわけではなかった。
ところが、取引のあるSIerや大規模ネットワークを運用する顧客から「新しい機器を導入したいが、そのための検証ができずに困っている」という声をよく聞くようになった。また、導入を検討する製品のパフォーマンス検証のために、大規模ネットワークを運用するエンドユーザーがわざわざ米国にある開発元まで出向いていったという話も耳にした。

「使用環境になるべく近い疑似環境を作り、想定しうる最大の負荷、使用するアプリケーション、場合によってはセキュリティまで考慮して検証を行なうのは非常に難しいですが、絶対に必要なことです。しかし日本には、インターオペラビリティを検証する施設はあっても、お客様の環境を再現してパフォーマンスを検証する施設はなかなか見当たらず、仮にあったとしても手軽に使えないのではないかとお客様の声が気づかせてくれました。
また米国にあるセキュリティ製品ベンダーを訪問した際、検証施設を見せていただいたことがありました。そこは設備が用意されているだけでなく、お客様といっしょに数日にわたってさまざまな検証を行えるようになっていました。それを見て、私たちも日本のお客様に向けて、このような施設を用意したいと思ったのです。
当社には、大規模ネットワークを運用するお客様が数多くいらっしゃいます。もし、我々のお客様が検証できずにお困りであるなら、私たちがこれまで社内検証で利用してきた設備を、積極的にお客様のために使っていただこうと考え、マクニカネットワークス技術検証センターを設立しました。」

検証データを正しく分析し、改善に結びつける技術ノウハウ

2002年にパフォーマンス検証のための専用装置を導入したことから、本格的なパフォーマンス検証は始まった。
それ以前は、担当するエンジニアが自作スクリプトやフリーツールなどを用いてパフォーマンスを検証していた。しかし2000年頃には、その方法ではいずれ限界が来ることが見えてきた。「今後ネットワークはより広帯域になり、システムやアプリケーションはさらに複雑になる。大規模ネットワーク向けのセキュリティ製品やロードバランサー等のL4-L7ネットワーク制御機器を扱う以上、より本格的な装置を使った検証が必要になる」と考え、2002年にcaw networks(現Spirent Communications)のWebAvalanche、WebReflectorなど、より実環境に近い、高負荷をかけることができるパフォーマンス測定装置を導入したのである。
その後も、ネットワークやセキュリティの動向の変化、アプリケーションの多様化に対応するため、BreakingPoint SystemsのFireStorm CTMといった最新鋭のパフォーマンス装置を導入するなど、設備の充実を図ってきた。こうして大規模ネットワークにおけるアプリケーションレベルのパフォーマンス検証にも耐えうる検証環境を整えていった。

ただし、これらの設備は長い間、自社で扱う製品を検証するため、あるいは障害が起こったときの再現検証を目的に使用されており、外部に対して積極的に公開していたわけではなかった。
ところが、取引のあるSIerや大規模ネットワークを運用する顧客から「新しい機器を導入したいが、そのための検証ができずに困っている」という声をよく聞くようになった。また、導入を検討する製品のパフォーマンス検証のために、大規模ネットワークを運用するエンドユーザーがわざわざ米国にある開発元まで出向いていったという話も耳にした。

「使用環境になるべく近い疑似環境を作り、想定しうる最大の負荷、使用するアプリケーション、場合によってはセキュリティまで考慮して検証を行なうのは非常に難しいですが、絶対に必要なことです。しかし日本には、インターオペラビリティを検証する施設はあっても、お客様の環境を再現してパフォーマンスを検証する施設はなかなか見当たらず、仮にあったとしても手軽に使えないのではないかとお客様の声が気づかせてくれました。
また米国にあるセキュリティ製品ベンダーを訪問した際、検証施設を見せていただいたことがありました。そこは設備が用意されているだけでなく、お客様といっしょに数日にわたってさまざまな検証を行えるようになっていました。それを見て、私たちも日本のお客様に向けて、このような施設を用意したいと思ったのです。
当社には、大規模ネットワークを運用するお客様が数多くいらっしゃいます。もし、我々のお客様が検証できずにお困りであるなら、私たちがこれまで社内検証で利用してきた設備を、積極的にお客様のために使っていただこうと考え、マクニカネットワークス技術検証センターを設立しました。」

検証がもたらす「将来の安心」

企業が新しく導入した製品は、長期間にわたって運用されることになるため、検証では将来を見越した限界性能を調べることも重要になる。
導入時点では問題なく稼動したとしても、いずれデータ量や利用者の増加によって障害が発生する可能性があるからだ。ボトルネックになるのは、スループットだったり、セキュリティのための暗号化だったり、コネクション数だったりと、環境によってさまざまである。Webトラフィックの場合はコンテンツのサイズや種類が要因になることもある。

この問題は、限界性能を事前に検証し、把握しておくことで対処できる。運用開始後にボトルネックになりうる要因を認識していない場合は、ある日突然限界を超えてシステムが停止するというトラブルが起こりかねないが、事前にそれらがわかっていれば、その項目が限界性能に近づいたときに「半年後にシステムを増強しよう」とあらかじめ計画を立てられる。

「パフォーマンス検証は、今の段階で問題なく稼働するかを確認するだけでなく、将来にわたって安心して運用するためにも役立つのです。ネットワークは、システムやアプリケーションが複雑になればなるほど、想定外のケースが増えます。だからこそ安心して導入するために、事前に問題となりうる要因、ボトルネックとなる要因を洗い出し、把握しておくことが、安全なシステム運用につながります。」

より高負荷で、より複雑な環境に向けて、今後も設備を強化

今後、同センターでは、検証可能な帯域を現在の40Gbpsから80Gbpsまで倍増するほか、検査対象となる機器やアプリケーションも追加、増強する計画を持っている。さらにクラウド関連、仮想化関連、セキュリティ関連の製品が増えてくることを見越して、そのための多種多様な検証環境も整えていく。

「年々、アプリケーションやシステムが複雑に組み合わされるようになり、ネットワークの負荷も高くなってきています。質の高い検証を行なうために、ますます製品の知識と高い検証ノウハウが必要になってきます。私たちはディストリビュータとして、パフォーマンス検証のプロフェッショナルとして、今後もお客様に役立つ検証環境と検証サービスを提供していきたいと考えています。」

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