FogHorn

フォグホーン
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FogHorn

フォグホーン

株式会社アドヴィックス様

異なる機器のデータを統合し、リアルタイムの可視化・分析を実現
将来の“スマート工場化”も視野に
POINT
  • 異なる機器のデータが統合され、リアルタイムの可視化・分析が可能になった
  • データ取得にまつわる作業負荷が軽減した
  • 問題が起こったときも、原因の切り分けが迅速に行えるようになった
平田 寛氏

株式会社アドヴィックス
生産技術部 制御2室
平田 寛氏

三浦 翔一郎氏

株式会社アドヴィックス
生産技術部 制御2室
三浦 翔一郎氏

異なる機器から発生するデータの取得と活用に課題

アイシングループを代表する企業として、自動車用ブレーキシステムおよびその部品の開発・生産・販売を行っているアドヴィックスは、ブレーキペダルからパッドまでの開発を手がける世界唯一のブレーキシステムサプライヤーである。自動二輪から大型車まで、さまざまな車両に対応した多彩なラインナップを揃えており、ゆるぎない技術力に支えられた同社製品の安全性と快適性は、内外から高く評価されている。
同社生産技術部の制御2室は、半田工場においてギヤポンプの製造ラインを担当している。ギヤポンプとは、歯車のかみ合わせを使ってブレーキフルード(ブレーキオイル)を送る機構で、ブレーキを制御する上で重要な役割を果たす。同室の平田寛氏は「ギヤポンプはピストンポンプに比べると圧倒的な静粛性が特徴ですが、その製造にはサブミクロン(1万分の1ミリ)単位の高精度加工技術が求められます」と説明する。

ギヤポンプの製造において、平田氏の担当する検査工程では流量やトルクなど性能データを、前工程(組立工程)でも荷重など組立データを、それぞれ記録していた。
「検査工程や組立工程は製品性能に関わる重要な工程ですから、取得データを正確に把握する必要があります。そして、日々の傾向管理のためにも、確実なトレーサビリティおよび迅速なデータ解析が求められるのです」(平田氏)

そこで同社は、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)を通じてデータを収集し、トレーサビリティ製品も導入したのだが、各工程におけるPLCが異なる製品だったことから、取得したデータを十分に活用できていなかったという。
「誰もがデータを参照できるわけではない上、製品のシリアルナンバーとも紐づいていませんでした。また、解析に必要なデータを得るためには、製造現場まで赴いてUSBメモリに取り込む必要がありました。以前は、このデータをもとにミーティングで状況共有できるまでに数時間の解析作業が必要でした。データ解析の遅れは対処の遅れに直結することから、リアルタイム処理の必要性を強く感じていたのです」(平田氏)

そこで同社は、製造の各工程から集めたデータを統合管理した上で、リアルタイムに可視化・分析できる環境の構築を目指したのである。

“真のリアルタイム処理”が可能な点とAI/機械学習機能などの将来性も評価

アドヴィックスでは、2017年末より本格的な検討を開始。2018年1月に行われた「スマート工場 EXPO東京」のマクニカネットワークスのブースにおいて、製造システムにまつわるあらゆるデータをリアルタイムで可視化・分析できるツール「FogHorn」の存在を知った。
「私たちが何より重視していた要件が、異なるデータを統合し、リアルタイムに処理できるという点です。そういう意味では、FogHornは異なるPLCのデータをまとめて取得でき、アナログ波形にも対応。分単位の誤差もなく、本当にリアルタイムにデータを可視化・分析できる点が魅力でした。加えて、AI/機械学習機能も搭載予定という将来性も評価しました」(平田氏)

そこで同社はFogHornについて本格的な検討を開始。実データでテストを実施するとともに、マクニカネットワークスに画面の作成を依頼し、製造現場や品質管理の担当者などから意見を聞きつつ確認作業を進めていった。この点について制御2室の三浦氏は、「いくら製品の機能が優れていても、使い勝手に難があれば現場には受け入れてもらえません。そこで、直感的に操作できるか、必要なデータを自分たちで見たいかたちにして参照できるかなどの点について重点的にチェックしました」と語る。

マクニカネットワークスの対応については、FogHornに加えてデータ解析プラットフォーム「Splunk」まで、必要なシステムを一通り揃えることが可能であった点を評価。さらに、「私たちの目的を達成するために何をすべきか一緒に考えてくれたこともありがたかったですね」と平田氏は語る。

かくして10月、同社はマクニカネットワークスの提案するFogHornとSplunkを組み合わせたシステムの採用を決定。導入作業を進め、2019年3月に構築を完了させた。

作業負荷が軽減し分析に要する時間も大幅短縮

FogHornは、各PLCから200msecごとに入力される約1150項目のデータを、リアルタイムで処理(ストリーミング処理)している。具体的な処理の内容としては、パーツのシリアル番号の変換(ASCII変換や16進変換)、測定データの変換(四則演算)や設備異常アラートNoの変換(ビット位置の検出と四則演算)、タイムスタンプやライン名などの情報の追加、条件分を使用した設備異常の分類情報の追加などだ。
従来の環境では、結果の出力までかなりの時間を要していた。データ検索にも時間がかかり、測定データを多方面から分析することも困難であった。この点、FogHornは取得したデータについて、最適な処理を数msecという高速で実行可能だ。
「結果を即座にDBやCSVに出力できるようになったことで、問題が起こったときの切り分けも迅速に行えるようになりました。また、リモートで必要なデータを直接、取得できるため作業負荷も軽減しました」(平田氏)
また、FogHornが処理したデータをSplunkと連携させることで、生産数や設備異常のリアルタイム表示が可能になった。また、別のアプリケーション「spotfire」と併用することで、製品性能に影響を与える多方面の要因分析を即座に実施することもできるようになった。
「原因特定までの時間が3日以上も短縮されました。また、週一で行っている性能レビューについても、以前はExcelで大量のデータを処理していたため、その作業に半日はかかっていましたが、今では1時間程度で済むようになりました」(平田氏)

トレーサビリティという点では、履歴が確実に残るというメリットも大きい。これにより、長期にわたって正確な日付/時間で経緯を辿ることができるようになったため、その流れを対処方法としてテンプレート化することも考えているという。

なお、これら取得したデータは、生産技術部だけでなく、現場の班長にも提供している。
「以前は、トラブルへの対処も担当者の経験と感覚に依存していましたが、今では数値に基づいて判断ができるようになったことで、属人化が排除され、迅速な対応が可能になると考えています」(三浦氏)

FogHornについて他工程や工場全体への適用を検討

現在、FogHornの対象は半田工場のギヤポンプの工程のみだが、アドヴィックスでは今後、他工程への適用も検討していく方針だ。
「例えば、製品性能の変化の要因解析において、各部品のシリアルNo.から前工程の加工号機やメンテ履歴・型変更のタイミングなど、あらゆるデータを追えるようにすることで、より深い解析ができるようになります」(平田氏)

さらには、適用範囲を工場全体へと広げ、将来の“スマート工場化”も視野に入れている。「今回の導入では、当初から工場全体への適用を見越した取り組みを進めています。マクニカネットワークスは、私たちの要求へ柔軟かつ適切に対応してくれました。今後もスマート工場の実現に向けて、さまざまな視点からのコンサルティングや提案などをしてほしいですね」と三浦氏は期待を語ってくれた。

User Profile

株式会社アドヴィックス
所在地 愛知県刈谷市昭和町2-1
導入時期 2019年 3月
URL http://www.advics.co.jp
アイシングループ主要13社のうちのひとつ。主な事業は自動車用ブレーキシステムおよびそのシステムを構成する部品の開発・生産・販売など。200 1年の創業以来、品質至上を基本理念に安全・環境・快適を追求し、顧客に喜ばれる製品を通じて、より安心な社会づくりに貢献することを使命としている。近年は、予防安全や先進運転支援システムなどの安全性能、回生協調ブレーキなどの環境性能等の向上を目指し、新たな技術の開発に挑戦している。