| 内航タンカー業界のリーディングカンパニー「鶴見サンマリン株式会社(以下、鶴見サンマリン)」では、保守サポートの打ち切りにともないロードバランサをラドウェアのAppDirector(アップダイレクター)にリプレース。「止まらないシステム」を目指し、L2レベルの負荷分散ならびにヘルスチェック(死活監視)機能の冗長化を実現した。AppDirectorを導入した経緯と効果について話を伺った。 | ![]() |
AppDirector 導入決定のポイント
|
1947年に設立された鶴見サンマリンは、ガソリンなどの石油製品を輸送している海運会社である。国内最大級とも言われる200隻もの船団を運航しており、内航運送業務のみならず外航運送業務も手掛けている。
「安全を第一に、運搬に危険が伴う石油エネルギーを輸送しています。当社のロゴマークでもある『T』のファンネルマーク(船の煙突に描かれているマークや模様)は、エネルギーを輸送する上で当社が求める厳格な安全基準をクリアした船舶のみに表示される信頼の証でもあります。もちろん安全だけでなく、地球環境保護や業務改善に対する創意工夫にも積極的に取り組みながら、社会に貢献していくことを目指し活動しています」(管理本部 総務・人事グループ部長 取締役 中西氏)。
上に戻る
生活必需品であるエネルギーを輸送する鶴見サンマリンでは、情報システムの利用に関しても事業の継続性を第一と考え、「止まらないシステム」を目標に業務システムを構築・運用している。
「システムの機器構成はできるだけ冗長化するようにしています。さらに、通常は本社(東京)で稼働しているシステムを利用していますが、ディザスタリカバリ対策として大阪にバックアップのシステムも用意しています」(管理本部 総務・人事グループ電算担当 次長 早川氏)。
しかし、取引先からの注文データをEDI受信したり、社内の業務連絡に利用するシステムのロードバランサは、これまで冗長化されていなかった。
「業務サーバは、2003年にWebシステムへと移行した段階から2重構成となっており、その負荷分散とヘルスチェック(死活監視)のためにロードバランサを導入しています。しかし、当時のロードバランサはとても高価で、仕様上の制限もあり冗長化を見送らざるをえませんでした」(管理本部 総務・人事グループ電算担当 課長代理 梅岡氏)。
上に戻る
鶴見サンマリンではこれまで順調に業務システムを運用してきたが、2009年、ロードバランサの保守サポートが終了することが判明した。
業務サーバの入口となるロードバランサの保守サポートが受けられなくなれば、機器にトラブルが発生した場合、安心して「止まらないシステム」を運用することは難しくなる。
そこで、新たにロードバランサをリプレースするため、4つの要件を検討し、新たな機器の選定を行うこととなった。
第1の要件は、既存のネットワーク環境をそのままに、ロードバランサだけをリプレースできること。
「システムの構成や他の機器を変更すれば、システムの安定稼働に影響をおよぼす可能性があり、コスト負担も大きくなってしまいます。技術的には、ロードバランサを今までどおりのL2構成で導入できることが必須でした」(早川氏)。
第2の要件は、冗長化し、ホットスタンバイ状態で運用ができること。
「今回のリプレースを機にロードバランサも2重化し、万が一、機器にトラブルが発生した場合でも自動的に切り替わる構成とすることにしました」(梅岡氏)。
第3の要件は、導入コストも運用コストもできるだけ抑えること。
「限られた予算内でロードバランサを2重化するためには、できるだけコストパフォーマンスに優れた製品を選択する必要がありました。もちろん、導入後のランニングコストも含めてコストを抑えることができる製品を選ぶことにしました」(梅岡氏)。
そして最後の要件は、継続的な技術サポートと製品供給能力があるベンダーの製品であること。
「継続的な保守サポートが期待できなければ、安心してシステムを運用できません。また、短期間で機器を買い換えなければならなければ、かえってコスト高になってしまいます。そのため、できるだけ長く機器を利用できるよう、継続的な技術サポートと製品供給能力があるベンダーの製品を選びたいと考えました」(早川氏)。

鶴見サンマリンのシステム構築・運用をサポートしている株式会社アイ・ティ・フロンティア(以下、アイ・ティ・フロンティア)は、共に検討を重ねた4つの要件を実現する機器としてAppDirectorを提案した。
AppDirectorを選定した理由について、アイ・ティ・フロンティア ネットワーク本部 ネットワーク第二部 マネージャー 佐藤氏は、次のように説明する。
「AppDirectorは、負荷分散やヘルスチェック機能といったロードバランサの基本機能や一般的なL3構成だけでなく、L2構成の要件にも応えることができ、稼働実績も豊富だと聞いています。その上、コストパフォーマンスも優れているので、2重化するのにも導入コストを抑えることができると考えました。
また、マクニカネットワークスに冗長化の構成などについて相談したところ、AppDirectorという製品に精通しているだけでなく、ラドウェア社とも良好な関係を築いているということがわかりました。製品の長期的なサポートにも対応していただけるということでしたので、自信を持ってAppDirectorを提案させていただきました」(佐藤氏)。
さらに佐藤氏は、システム構築時にもマクニカネットワークスの技術力の高さを再確認できたと評価する。
「マクニカネットワークスのラボに冗長化したAppDirectorの稼働検証を行うテスト環境を用意してもらうなど、積極的にサポートしてもらい、そのおかげでスムーズに検証を終えることができました。それまで利用していたロードバランサの保守サポート切れのスケジュールが迫っており、検証などに多くの時間を割く余裕がなかったことから、迅速かつ的確な対応をしてもらいとても助かりました」(佐藤氏)。
上に戻るAppDirectorの導入後、システムは順調に稼働。冗長化されたことで信頼性が向上した上に、システムのパフォーマンスが向上するといった期待以上の効果も得られた。
「一部の利用者からは『反応が速くなった』という声も聞かれ、反応が遅いという問い合わせを受けることもほとんどなくなりました」(梅岡氏)。
この件に関して佐藤氏は、「ロードバランサの性能が向上した上に、サーバの負荷に合わせて処理を振り分けることができるようになったことが要因ではないでしょうか」と分析する。
上に戻る現代の生活に欠かすことのできない石油エネルギー。その供給が滞れば、私たちの社会生活は大きく混乱してしまいかねない。
「安定的かつ効率的に安全な輸送業務を遂行するためには、業務システムの安定的な稼働は不可欠です。これまで以上に『止まらないシステム』を維持していくためにも、AppDirectorに限らず、長期的に安心して利用できるようできる製品の供給と保守サポート体制を期待します」と早川氏は語る。
ロードバランサをリプレースすることで、既存のシステムに変更を加えることなく、システムの信頼性向上とパフォーマンスの改善に成功した鶴見サンマリン。「エネルギーの輸送を通じて社会に貢献する」という同社の使命を果たすため、「止まらないシステム」の運用に向けた取り組みはこれからも続いていく。
上に戻る| 鶴見サンマリン株式会社様 | |
|---|---|
| 本社所在地 | 〒105-0003 東京都港区西新橋1-4-7 桜田ビル |
| 会社概要 | 1947年8月設立。(旧、鶴見輸送株式会社。2000年に株式会社サンマリンと合併) 海上運送事業、 船舶運航事業・海運仲立業、貨物利用運送事業(内航/外航)、外航船舶運航事業、外航不定期航路事業。 |
| 導入時期 | 2009年8月 |
| URL | http://www.trsm.co.jp/ |