(C)Macnica Networks Corp.
issue date: December 1,2008


トレンド

消費電力について考える
―電力消費量の「見える化」がGreenITへの近道―

 2008年は「GreenIT」元年。「省エネ」「省電力」という言葉が取り上げられるようになり久しいですが、まだまだ「どこから手をつければ良いのやら?」という企業が多いのではないでしょうか?これから具体的な施策を考える前に、まずは私達が置かれている状況をご覧頂きたいと思います。

他人事ではない現実

 このグラフをご覧下さい。

世界のエネルギー需要見通し
(2030年見通し)
アジアのエネルギー需要見通し
(2030年見通し)
拡大図>>>
(資料)IEA 「World Energy Outlook 2004」 (資料)IEA 「World Energy Outlook 2004」
(出典)東京都環境白書2006

 これは2030年までのエネルギー需要を予測したグラフです。いくら「エコ」対策を施してもエネルギー需要が下がることはなく、特にアジア圏にいたっては今後20年で需要が倍になると見込まれています。私達が住んでいる日本も例外ではなく、相当な消費電力大国であり、今後ますますのエネルギー需要が見込まれています。現在の倍のエネルギーを消費し続けたらと思うと背筋がゾッとします。今まさに、このエネルギー需要上昇カーブを出来るだけ抑える事が切に求められている時代なのです。
明日からではなく今日から
 では、IT管理者としては、どのようにしてエネルギー問題に取り組むべきでしょうか?続いて、次のグラフをご覧下さい。

Source: EYP Mission Critical Facilities Inc., New York

 これはデータセンター内で消費されている電力の内訳を表したグラフです。IT機器が消費する電力と空調費だけで全体の3/4にも及んでいる事が判ります。よって消費電力対策も、1番にIT機器、2番に空調費という優先順位で着手することになりますが、実際問題としてはIT機器に対する消費電力を削減出来れば、IT機器の発熱量も下がり、結果として空調費も削減出来るため、まずはIT機器の消費電力削減に取り組むべきでしょう。 まずは体重計を!?
 ダイエットを始める人が一番最初に用意するもの、そう、体重計です。まず現在の体重を知ったうえで、目標体重/プランを練っていきます。消費電力削減も同様、まずは現在の電力消費量を知る事が先決なのです。
  例えば、ラリタン・ジャパン株式会社が販売する「Dominion PX」シリーズは、いわゆる電源タップですが、Webブラウザでアクセスすることにより、1個ずつのコンセントに対して現在の消費電力を見る事が出来ます。また、別売の管理ソフトを使用することにより、長期間における消費電力のログを管理する事も可能です。その他にも、リモートからの1個ずつのコンセントのOn/Off、温度/湿度センサーとの連動などの機能も備え、インテリジェントな電源管理が可能です。

消費電力の落とし穴
 「うちは導入前に各機器の消費電力を確認しているので、わざわざ測る必要はない」と言う方がいるかもしれません。現に、弊社販売製品についても消費電力のお問合せを頂く事は少なくありません。ただし、各メーカーが公表している消費電力(カタログスペック)というのは、あくまでも"最大"消費電力であるという事に気を付ける必要があります。実際に、カタログに「消費電力: 400W」と書いてある機械の消費電力を測ってみると、意外と200W程度で動作している事が多いのです。消費電力は常に変動しており、CPUに負荷がかかったり、ハードディスクに頻繁にアクセスが発生したり、各種ファン類が高速に回転したりすると段々と消費電力が上がっていくのです。考えてみてください。「公表値400W/実質値300Wの機器と公表値500W/実質値250Wの機器ではどちらが地球にやさしいですか?」

「Dominion PX」シリーズで見た各コンセント毎のステータス
「Dominion PX」シリーズで見た各コンセント毎のステータス

必要経費??
 「消費電力が分かったところで現在稼働中のサーバをシャットダウンするわけにもいかない。そもそも必要だから必要台数分のサーバを稼動させてます。」と言う方もいることでしょう。短期的に見れば、ごもっともなご意見です。しかし、もう少し長い目でIT投資を考えた場合、現在の消費電力を知る事がとても重要になってきます。いくつかのヒントをここでご紹介しましょう。

スペースの有効活用
 

ラックへ機器を搭載する際に最大消費電力で計算して、1ラック内に収める機器の数を決定してしまいがちです。しかしながら、消費電力がきっちりと把握出来れば、同一ラック内にもう1台~2台の機器を搭載する事が可能かもしれません。つまりその分の設置面積や空調費を節約出来ます。

仮想化技術を積極的に活用する
 

消費電力が低いということは端的に言えばサーバの負荷が低いということです。つまり、ハードウェアスペックの割には処理させている仕事内容がたいした事ないということです。そういったサーバが何台かある場合は、仮想化技術を使って1台のハードウェア上にまとめてしまうと良いでしょう。

ハードウェアのリプレース計画を立てる
 

消費電力の高いサーバがあった場合、最新のハードウェアへのリプレースを考えるべきかもしれません。最新のハードウェアは、処理スペックの向上や各種パーツの低消費電力化の恩恵により、現在と同等の処理をさせた場合には消費電力が下がることが見込まれます。余ったサーバにはもう少し負荷の軽い仕事をさせれば消費電力のバランスも取れて一石二鳥でしょう。

ある日突然
ある日突然  消費電力の「見える化」について触れてきましたが、如何でしたか?「京都議定書」や「省エネ法」など、環境問題/エネルギー問題に関する様々な法令/条例が策定されていく昨今、ある日突然に会社の経営層からこう訊かれる事があるかもしれません。「我が社のIT部門としてのGreenITへの取り組みはどうなっているかね?」と。さて、その時あなたはどのように答えられるでしょうか?



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