(C)Macnica Networks Corp.
issue date: December 1,2008
負担にならないITIL実践
―ITILの現状を、ITIL発祥地、英国からレポート―
簡単におさらい~ITILとは何か
ITILを採用しているのは、どのような企業か
ITILが自社に適しているか否かを知るためには?
ITILの費用対効果はどれくらい?
ITIL適用後のすばらしい世界
ITILの理論はすばらしいが、実際にITサポートの全工程に適用するのは難しい。企業がITILのベストプラクティスについて詳しくないのなら、なおさらである。
フリーフォーム・ダイナミクス社
『ITサポートのベストプラクティスに関する意識と採用状況』(2006年5月)
昨今、情報システムの運用現場において、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)というキーワードが世界的に注目され、日本でも普及しつつあると言われています。肥大化するITを「サービス」として捉えた考え方に多くの企業が注目しました。では、そのフレームワーク(枠組み)を実際のユーザ企業は上手く活用できているのでしょうか?
本特集では、サービスデスクツールでトップレベルの顧客基盤を持つ
Numara Software(ヌマラ ソフトウェア)
が、ITIL発祥地、英国で作成したホワイトペーパーから、その一部をご案内し、ITILの現状について考察します。
簡単におさらい~ITILとは何か
ITILとは、ITサービスマネジメントのベストプラクティス(模範的な事例)としてまとめられたフレームワーク(枠組み)です。 ITを顧客のビジネスをサポートする「サービス」として捉え、そのIT活用論を解説したものです。最新版であるITIL Version3には、「サービス・ライフサイクル・アプローチ」という新たな概念が取り入れられました。 2007年6月にリリースされた後、わずか数週間で5万部を売り上げる驚異的なセールスを記録したそうです。
では、なぜ企業はITILを重要視しているのでしょうか。ここで、ITILを採用した理由を見てみましょう。 ITILの普及促進を目指すNPO(非営利団体)であるitSMFが、米国フォレスターリサーチ社に委託した調査した結果から、企業がITサービスマネジメントに投資する理由が明らかになりました。
■図1 ITサービスマネジメントに投資する/した理由
拡大図>>>
図1が示すとおり、理由の第1位には「サービスの質/ユーザ満足度」といった、質の高いサービスを享受できること、第2位には「ITをビジネスサービスの単位へ変えていくため」が挙げられています。ITサービスがビジネスにおいてますます重要になっていることがわかります。
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ITILを採用しているのは、どのような企業か
フリーフォーム・ダイナミクス社が2006年に行なった調査から、ITIL採用企業の特長が読み取れます(図2)。
まず規模別では、大企業が積極的に採用しています。この背景には、ITに関する業務範囲が広く複雑になりがちな大企業にこそ、標準的な業務プロセスを定着させ、ITサービスの継続性を保つためにITILが有効であることが挙げられます。
また業種別では、金融業や通信業、製薬業といった公共性の高い業種への採用が進んでいます。これは、ITILの基礎となったガイドラインがもともと英国政府によって作成されたという経緯も影響していると考えられます。
一方で、中小・中堅企業や製造業では、ITILの価値を理解されていないことが多いようです。しかし、裏を返せば、もし中小・中堅企業や製造業がITサービスマネジメントをうまく取り入れることができれば、大きなメリットが得られる可能性を秘めているとも考えられます。
■図2)フリーフォーム・ダイナミクス社
『ITサポートのベストプラクティスに関する意識と採用状況』
拡大図>>>
ITILは単なるルールブックではなくフレームワークである。したがって、理解し、かつ自社に適合させる必要がある。本に書いてあるとおりに使えばよいというものではない。原則として、自分の力で「宿題」をやらなければならないのだ。
ダイナミクス・マーケッツ社
『ITILおよびその他の規格の採用について』(2008年4月)
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ITILが自社に適しているか否かを知るためには?
全ての企業がITIL採用によって成果を上げているとは言えないでしょう。ITILのフレームワークは非常に複雑です。ヌマラ ソフトウェアが欧州および米国の2,000社以上に実施した調査によれば、ITILのベストプラクティスを忠実に実践している企業は、わずか10%程度にとどまっていました。また、25%の企業は、ITILのうち、自社に適していると思われる部分だけを採用しています。それ以外は、採用の必要性を見出すことができないか、あるいは日々の業務に追われるあまりITILについて検証することができない企業です。
ヌマラ ソフトウェアは顧客企業を3つのタイプに分類しています。
1.
ITILが必要な企業
2.
ITILが必要と考えているが、実際には
必要ない企業
3.
ITILが必要ない企業
ITILの採用には、時間やコスト、そして人材が必要です。しかしながら、そこまでしてITILを採用しても、想定していたような効果が得られないという企業は、少なくありません。ITILに関する世間の注目が高いため、「ITILは自社に必要である」という先入観を持ってしまう企業も多いのです。
企業規模の大小にかかわらず、業務内容が複雑であれば、ITILを採用する理由は存在します。ただし、企業規模を指標とした、ITIL採用の一般的な目安は次のようになっています。
従業員10,000人以上の大企業は、ITILの採用に最も適している。
従業員1,000人以上、10,000人未満の企業は、自社に有用なITILの要素を採用するのがベター。
従業員1,000人未満の企業にとっては、ITILは投資に見合う効果を得られない場合が多い。
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ITILの費用対効果はどれくらい?
企業は、自社のITを維持することに、IT関連予算の実に80%を費やしていると言われます。調査やケーススタディによると、ITILを採用することにより、IT運用の負荷を20~40%軽減できるそうです。
ITILの第1位の採用理由である「顧客満足度向上」という点では、日本でも好例があります。グローバル企業、シーメンスの日本法人、シーメンス株式会社様はヌマラ ソフトウェアのサービスデスク・ツール
「Numara RapidTracker」
を導入し、ユーザ(社員)側、サポート(ITスタッフ)側双方の満足度を高めることに成功しました。
ユーザ自身が依頼案件の進捗やこれまでの履歴を確認できるようになり、状況が見えていないことによるストレスも大幅に軽減されました。また、最適な担当者による的確な回答ができるようになったことから、問題解決のリードタイムも改善されたそうです。
(シーメンス様の詳細を知りたい方は、
インタビュー記事
をご参照下さい)
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ITIL適用後のすばらしい世界
今日の厳しい世界経済情報のもとで、企業はより少ないコストでより多くのものを顧客に提供することを求められています。複雑化・多様化するシステムやコンプライアンスの問題、新技術の導入など、サービスレベルの向上に取り組むIT企業にとって、それは大きな負担となります。こうした状況下で、ITのベストプラクティスに対するITILの必要性はますます高まってきています。
ITILはITサービスのプロセスを確立し、品質を高めるものです。ITILを採用すれば、管理者のスキルにITサービスの質が左右されることはなくなります。そして、ITILが企業のITサービスや企業全体に良い影響を与えることになるでしょう。
しかし、ITILは万人向けではないため、各企業のビジネスニーズとITサービスのニーズの範囲内で検討することが重要です。ITILを活用するカギは、「柔軟性」にあります。企業は、ITILのベストプラクティス全てを実装する必要はなく、フレームワークから現在の自らのニーズに最も関係のある部分だけを自由に選択すればよいのです。
ITILの内容は広範囲にわたっているため、複雑すぎると感じてしまうといった不満も聞かれます。しかし、そうした不満は正しくありません。その理由は、地下鉄の路線図にたとえて説明することができます。路線図には様々な色で示された路線とたくさんの駅が描かれていて、最初は複雑に見えます。しかし、少し下がって立ち、自分の現在地と目的地を把握されすれば、最も便利で一番安い行き方を選ぶことができます。ITILも同じであるというわけです。
ホワイトペーパー全文のご参照を希望される方は、
こちら
よりお申込み下さい。
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マクニカネットワークス株式会社 LANchBOX編集
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TEL:045-476-1973